アレルゲン免疫療法について

アレルゲン免疫療法とは、アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)を少量から体に取り入れ、体をアレルゲンに慣れさせてアレルギー症状を和らげる、根本的な治療法です。この治療法には「皮下免疫療法」と「舌下免疫療法」があります。当院では舌下免疫療法を行なっております。

舌下免疫療法について

スギ花粉症あるいはダニアレルギーと診断された患者さんの舌の裏(舌下)に、スギ花粉あるいはダニ由来のタンパク質から作成された薬剤を置き、最終的にこの薬剤を内服するといった作業を続けることで、体の免疫を刺激し、アレルギーに対して耐性をつける治療法となります。

スギ花粉症の方には「シダキュア」、ダニアレルギーの方には「ミティキュア」という錠剤を用います。免疫療法は、現状ではアレルギー疾患の唯一の根治的治療法とされています。治療はおよそ3~5年かかりますが、正しく治療を続けることで、治療開始から数か月後には症状の軽減が期待できます。

全く症状がなくなる「寛解(治癒)」の状態に至ることも多いですが、そうでなくとも必要な抗アレルギー薬が減量可能になるなど、症状の改善を認めることがほとんどです。また、波及的な効果としてスギ・ダニ以外のアレルゲンによるアレルギー症状が改善されたり、喘息の発症が抑えられたりする可能性も示唆されています。

舌下免疫療法の対象

  • シダキュア:スギ花粉が原因の季節性アレルギー性鼻炎の方
  • ミティキュア:ダニアレルゲン(またはハウスダスト)が原因の通年性アレルギー性鼻炎の方
    医師から確定診断がなされている必要があります。

開始時期

  • シダキュア:スギ花粉の飛散期間以外
  • ミティキュア:時期を問わず開始可能

対象年齢

5歳以上~65歳未満

禁忌

重度の気管支喘息の方、管理不良の悪性腫瘍(がん)や免疫系の病気を有している方。妊娠・授乳中の方。
*妊娠中の治療開始はできませんが、すでに治療中の方が妊娠した場合は治療継続できます。

来院スケジュール

  • 初回診察時:血液検査を行います(アレルギー採血結果は約1週間後)。
    他院で行った検査結果をお持ちの方はご持参ください(3年以内であれば代用可)
  • 診察2回目:医師が適応ありと判断した場合は、舌下免疫療法を開始します。
    初回開始時は、院内で最初の1錠を内服していただきます。
    30分ほど、副作用が出ないか確認する必要があるため、待合室で待機していただきます。
    そのため、初回開始目的で来院される方は、最終受付時刻の30分前にはご来院をお願いしております。
  • 診察3回目以降:安定していれば、月1回程度の定期通院を継続していただきます。

副作用について

どのような薬にも副作用があります。事前に薬剤によって起きうる副作用をご理解ください。

主な副作用

  • 口内炎、舌の腫れ、口の腫れ、のどのかゆみ、耳のかゆみ、頭痛 など
    上記のような症状が現れた場合、来院いただき、医師の診察を受けるようお願いいたします。

重大な副作用(アナフィラキシー)

  • 動悸、不整脈、血圧低下
  • 呼吸困難、喘鳴、喉の圧迫感
  • 持続する胸痛、持続する嘔吐

よくあるご質問

Q.
舌下免疫療法自己中断後の「再開」は可能ですか?
A.
舌下免疫療法を自己中断してから「6ヶ月以上」経過している場合は、「初回投与量から再開」とします。これは長期間休薬後に再開するとアナフィラキシーのリスクがわずかに高くなるためです。
一方、6ヶ月以内の再開を希望される場合は維持用量での処方が可能です。再開時にはアレルギー症状が出る可能性があります。
なお、花粉飛散時期であっても再開可能です。
Q.
シダキュアとミティキュアは一緒に治療できますか?
A.
併用自体は問題ありません。ただし初回内服日は必ず別の日(当院では2週間ほどあけて)にしております。副作用が強く出た場合に原因薬剤が判別できなくなるためです。
Q.
他院で舌下免疫療法中なのですが、処方してもらえますか?
A.
お薬手帳など服用歴が確認できるもの持参いただければ継続処方が可能です。